技術発展が目覚ましい現代、教育現場でも多くの変化が見られます。今回の記事では、「デジタル教科書」についてまとめました。
うちの小学生の娘がデジタル教科書を使っています。私が子供の頃にはなかったものなので、どんな機能があるのか気になります。
私が使っているデジタル教科書、どんなメリットがあるのかな?
デジタル教科書の現状
「今と昔の小学校の違い」といえば真っ先にデジタル教科書について言及する人もいると思います。しかし、デジタル教科書は実際、どのくらい社会に溶け込んでいるのでしょうか?
文部科学省※によると、児童・生徒が用いる学習者用のデジタル教科書の整備率は2021年度には約6%ほどでした。そこから2年間で数値は急増し、2023年度には小中学生のほぼ100%がデジタル教科書を所有するようになりました。
また、学校教育法の改正により2024年度からはさらにデジタル教科書が授業で活用されていく見込みになっています。
※https://www.mext.go.jp/content/20231031-mxt_jogai01-000030617_1.pdf
デジタル教科書の特徴
まずは、紙の教科書にはないデジタル教科書のメリットについてみていきましょう
拡大ができる
デジタル教科書は、多くの場合タブレット形式であり容易に拡大することができます。これにより、教科書に目を近づけなくても細かい箇所まで読み取ることができます。
また、拡大をしてから書き込み機能を用いることで、細かい部分にもメモを残すことができます。
書き込むのに便利
デジタル教科書は書き込むのに便利です。紙の教科書とは違って、たくさんのペンを用意しなくても、色や太さの設定により様々な形式の書き込みをすることができます。
また、デジタル教科書のには書き込みの非表示機能もあります。これにより、書き込みをする前の状態のページとした後の状態のページをともに維持することができます。
さらに、紙の教科書では書き込みを消していくとそのうち消し跡が残ってしまいますが、デジタル教科書では、書き込んだ内容を綺麗に削除することもできます。
音声機能
デジタル教科書には読み上げ機能がついています。この機能により、目の不自由な子供も容易に教科書を読むことができるようになります。
しかし、効果はそれだけではありません。教科書の内容を音で聞くことによって、内容が記憶に残りやすくなるのです。
人間は基本的に、五感のより多くが伴う体験をより強く記憶することができます。つまり、視覚だけではなく聴覚にも働きかけるデジタル教科書は、授業内容の定着を促すのです。
問題点
デジタル教科書は、紙の教科書よりも目に悪いというデメリットがあります。液晶画面を見続けることによって目が疲労してしまうのです。
文部科学省も問題点を把握しており、視力低下を含めた様々な留意点についての資料※が公開されています。
※https://www.mext.go.jp/content/20200918-mxt_kyokasyo01-000010052_05.pdf
今後の展望
デジタル教科書の整備率は数年間で急上昇しほぼ100%となりました。しかし活用率も100%に近いというわけではありません。2022年度に文部科学省に行われた調査結果※にも、調査対象のうち5割以上の教員がデジタル教科書を全く使わない週もあると記載されています。
※https://www.mext.go.jp/content/20230530_mxt_kyokasyo01_000030062_11.pdf
しかし、デジタル教科書の導入は国家レベルで行われていることです。そのため、今後教育現場のデジタル化が進んでいくことが予測されます。
将来的にはどのようなメリットが生じていくのかみていきましょう。
一人一人に合わせた学習
今後、デジタル教科書にドリル機能やAI技術が結びつき、一人一人の児童・生徒にあった学習を提供することができるようになることが予測されます。
現在の小中学校では一人の教員がクラス全体に向けた授業を展開することも多いです。特に、公立の学校では様々な学力の子供が同じクラスにおり、授業の難易度に対する不満が生じやすいです。
しかし、デジタル教科書は基本的に一人一台持っているものです。そのため、技術と結びつくことでそれぞれのレベルに合った問題や解説の提供が可能になります。
教科書が一つに
現在では、紙の教科書とデジタル教科書が併用されています。今後、デジタル教科書の改良や公立的な活用方法の確立がなされていき、教科書はデジタル端末一台のみに統合されるかもしれません。
紙の教科書数冊に比べ、デジタル端末一つというのは軽量です。教科書の軽量化により、持ち運びが楽になり、疲労の蓄積や姿勢への悪影響を減らすことができます。
実際に、文部科学省が2021年度に発表した文献※の中にも、デジタル教科書導入のメリットとして、教科書の軽量化が挙げられています。
※https://www.mext.go.jp/content/20231031-mxt_jogai01-000030617_1.pdf
最後に
今回の記事では、デジタル教科書の特徴とその展望についてまとめていきました。デジタル教科書の導入は国家単位で行われており、文部科学省からも様々な資料が提供されています。
技術革新に伴って、目まぐるしく変わっていく現代社会。変化についていくためには、幅広い情報に触れることが重要です。
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・デジタル教科書の特徴
・今後の展望