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これも該当する?体罰の新常識と悪影響

これも該当する?体罰の新常識と悪影響

近年では子どもに暴力を振るう大人は減り、体罰は過去のものであると思われがちです。

しかし、実は直接暴力を振るう以外の形の体罰も存在しています。

この記事では、体罰の種類や体罰による影響と適切なしつけについてまとめていきます。

この記事のポイント

・暴力以外の体罰にはどのようなものがあるのか。

・体罰によってどのような精神的/機能的な不全が生じるのか。

・体罰なしでどのように子どもをしつければよいのか。

殴る・蹴るだけじゃない:体罰の種類

体罰といえば、殴る・蹴るといった身体的な暴力を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、実はそれだけにとどまりません。

近年の研究や教育の現場では、体罰にはさまざまな形があることが認識されています。
ここでは、代表的な体罰の種類を紹介します。

過度の反省を強いる

「反省しなさい」と言って、長時間子どもを座らせたりすることありませんか?
これは一見、暴力に見えませんが、心理的なプレッシャーを子どもに与える体罰とされています。

長時間にわたる反省の強制は、子どもに過度な精神的な負担をかけます。
そして、自信や挑戦心などの前向きな気持ちは損なわれていきます。

また、反省を促すための締め出し行為も、もちろん体罰に当たります。

食事などを制限する

しつけの一環として「食事抜き」などの制限を行うケースも少なくありません。
しかし、これも体罰に該当します。

基本的な権利を制限することは、子どもに無力感やトラウマを与える可能性が高いです。
特に、制限が続くと、ネグレクトとみなされることもあるでしょう。

また、「食事」・「風呂」といった生活に必要な行為はもちろん、遊びを過度に制限するのも良くありません。
こちらは通常、単体では体罰認定されないですが、健全な成長には息抜きも必要です。

無視や冷たい態度をとる

無視や冷淡な態度も、子どもにとって強力な体罰となり得ます。
例えば、子どもが失敗したときに冷たい態度で接すると、子どもは「自分が悪いから愛されないのかも」と感じるようになります。

このような体罰は、子どもの自尊心を傷つけ、長期的な精神的ダメージを引き起こす恐れがあります。

また、明らかな暴言ではなくても、コンプレックスを刺激するような発言を日常的にしてしまうと、心へのダメージが蓄積していきます。

暴力以外の体罰があるなんて知らなかったにゃ。

子どもが言う事を聞かないときでも冷静に対処しないとにゃー。

体罰により生じる心の傷

体罰は一時的に子どもを従わせる効果があるかもしれませんが、長期的に見ると、心の傷として残りやすいものです。
以下に、体罰がどのような精神的ダメージを与えるかを見ていきましょう。

自尊心の低下

体罰を受けると、子どもは「自分は価値がない」と感じやすくなります。
親から罰を受ける経験が続くことで、自分に自信を持てなくなり、自分を否定する傾向が強まります。

このようにして傷ついた自尊心は、回復するのが難しく、子どもの人生に影を落としてしまいます。

親子間の信頼関係の崩壊

体罰を受けた子どもは、親に対する信頼を失う可能性が高まります。
罰が恐怖や不信感を生み出し、親との関係が希薄になることが懸念されます。

そうすると、子どもは困ったときに親に頼ることができなくなります。
さらに、自分には味方がいないという気持ちが自尊心の低下に拍車をかけます。

他者への攻撃性の増加

体罰を受けて育った子どもは、同じように暴力や強制的な手段で他者と関わろうとすることがあります。
これは、体罰によって暴力が「解決策」として学習されてしまった結果です。

そして、暴力的な態度は人間関係に不和を生じさせるため、子どもは孤独を深め、それが新たなストレスにもなります。

孤独

体罰で脳が萎縮する⁉︎

体罰が精神面だけでなく、脳にも悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかにされています。
精神面の問題は長期化しやすく重大ですが、脳への影響は不可逆的であり、より取り返しがつきません。

海馬の萎縮

海馬は、記憶や感情の調整に関わる部分です。
強いストレスや恐怖を感じると、この海馬が萎縮しやすいとされています。

これは、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンの過剰分泌によるものです。
コルチゾールが長期間多量に分泌され続けると、脳の発達や健康に悪影響を及ぼします。

体罰による強いストレスを繰り返し受けることで、記憶力や学習能力に悪影響を与える可能性が高まります。

前頭前皮質への影響

前頭前皮質は意思決定や自己制御をつかさどる重要な部分です。
体罰によって前頭前皮質が影響を受けると、感情のコントロールや自己制御能力が低下することが懸念されます。

このような影響があるため、体罰が長期的な社会的適応力にも関わることがわかっています。
そして、社会不適応が新たなストレスを生むという負のスパイラルが誕生します。

脳(のう)へのダメージはNO(ノー)にならないのね。

子どもの健やかな成長のために

体罰ではなく、子どもの健やかな成長を促すためのしつけ方法にはさまざまなアプローチがあります。
ここでは、効果的な方法を3つのポイントに分けて紹介します。

「良い」部分に注目する

体罰は、いわば「悪い」部分を矯正するためのものです。
逆に「良い」部分を見つけて、褒めることで、少しづつ子どもは成長していきます。

子どもが良い行動をしたときに、その行動をしっかりと認め、ほめることが重要です。
たとえば、「宿題を自分からやったね!すごい!」と具体的にほめることで、子どもはその行動を再度行おうとする意欲が高まります。

また、ほめるだけでなく、具体的な行動を教えることも大切です。
子どもが何をしたら良いかを明確に示すことで、正しい行動を学びやすくなります。
このような方法を取り入れることで、子どもは自己肯定感を高め、健康的な成長を促進できます。

ロールモデルになる

親が子どもの手本となる「ロールモデル」の役割も重要です。
子どもは親の行動をよく見て育つため、親が模範的な行動を示すことで、自然とその行動を学び取ります。

たとえば、家のルールや他者への接し方を親自身が実践することで、子どもはその行動を見習いやすくなります。

親が冷静に話し合い、他者に思いやりを持って接することで、子どもも自分の言動に気を配り、社会的なスキルが身についていきます。

感情を認め、表現する場を作る

子どもが自分の感情を認識し、適切に表現できるようサポートすることも重要です。
感情を理解する力を育てることで、ストレスや不安を減らし、健康的な対人関係を築くことができます。

たとえば、「悲しいときは泣いてもいいし、話してもいいよ」と声をかけてあげることで、子どもは自分の感情を表現しやすくなります。

子どもの行う感情表現の中には、あまり好ましくないものもあるかもしれません。
しかし、それを頭ごなしに否定しては、トラウマとなってしまいます。
その背後にある思いを認めつつ、より良い方向に導いてあげましょう。

まとめ

体罰は、子どもに対して瞬間的な行動の変化を引き出せるかもしれませんが、長期的な視点で見ると、多くのデメリットが存在します。
体罰による精神的ダメージや脳への悪影響は、子どもの成長において大きな負担となり、将来の人生にも影響を及ぼす可能性があります。

しつけは、子どもが理解しやすく、納得できる方法で行うことが重要です。
体罰に代わるしつけ法を選ぶことで、子どもが健やかに成長できる環境を整えましょう。

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